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2015-10-01

81.Facebook依存とうつ病との関連について、

  ポーランドのFacebookユーザーを対象とした小規模研究の結果、うつ病はソーシャルメディアサイト利用への依存を生じる予測因子の一つであった。いわゆるFacebook intrusionは依存に類似しているが、対人関係への影響の様式に重点が置かれる。低年齢、男性、およびオンライン時間の長さも、不健康なFacebookへの依存を生じる確率を上げる予測因子であった。ワシントン大学医学部の精神科医Robert Cloningerは「Facebook利用と人格に関して我々は既にある程度の知識を持っている」とReuters Healthに伝えている。彼によれば「内向的で社交性に欠ける人は、社交スキルがあまり高くないと考えられる。そのため、知性を使ってインターネットを使用し、正確といえない自分のイメージを作り上げることはできるが、社会的接触の場面ではそうはいかない。これはインターネット上で虚偽や空想の世界に生きているようなものである」という。Europian Psychiatryで、5月8日に発表された研究で、Agata Blachnio氏のチームによれば、「インターネット依存がその他の障害(うつ病、孤独、性機能不全、その他の依存)と併存する場合が多いことは分かっている」としている。彼らは、Facebook intrusionを「日常活動および対人関係の障害をもたらすFacebookへの没頭」と定義している。この研究は、15~75歳のポーランド語のネイティブスピーカーの672名に対して行われ、平均年齢は28歳、約2/3は女性であった。調査は2つの調査票に回答してもらう方法をとり、1つは、Facebook intrusionのレベルを測定、もう一つはうつ病を発見するための物であった。
研究チームは、一日のインターネット利用時間がFacebook intrusion のレベルと正の相関を示すこと、そしてFacebook intrusion がうつ病スコアの上昇に関連していることを明らかにした。しかし、毎日のインターネット利用時間とうつ病との関連は無かった。Cloninger氏によれば、Facebookに依存しやすいのは、自発性が低く、新規性を求める傾向の強い人である。「これらの人は、他人と直接会う代わりにFacebookなどのソーシャルメディアサイトを利用しており、他人と距離を置く傾向がある」と付け加えた。「これでは真の友情は得られず、本当に深く誠実な信頼・信用関係を築く能力は形成されない」と述べる。さらに、このような形でFacebookを利用している人の多くは、恥辱や拒絶を感じやすいと考えている。さらに、Facebookを利用したいと思う人は、恥辱、攻撃、あるいは拒絶を感じやすく、危機に対してうまく対応できない人が多いと述べる。Facebookを非常に多く利用したいと思う人々が、その危険に対して最も弱いということは、パラドックスであるとも述べている。

Eur Psychiatry 2015:
source:
http//bit.ly/1FORIF 3

2015年10月01日
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