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2022-05-03

160.食品の裏側2.身近な食品に使われる食品添加物について、その1

 

    今回はいつもとは全く違う話をします。食の安全性についての話です。特に食品添加物の危険性について、我々は日頃ウスウスは気にしてはいるが、便利さや安さということで、ほとんど無視して加工食品を食べている現状があるわけです。一例を挙げると、市販のハンバーグ弁当のラベルを見ると、そこに使われている食材と添加物が記載されている。ハンバーグ、付け合わせのスパゲティー、福神漬けなど、それぞれ作っている加工会社から仕入れきて、容器に詰め合わせるだけのもの。
一方家庭で作るハンバーグは合い挽き肉に塩をこね、炒めて冷ましたタマネギ、パン粉、牛乳、卵を加え、スパイスを入れてよく混ぜて丸める。ハンバーグソースはウスターソースとケチャップを半々に混ぜた即席ソース。ハンバーグの下には昨日の残りのスパゲティーを敷き。キャベツの千切り、ポテトサラダを盛り合わせ、自家製の浅漬けをご飯にのせる。この課程で、加工用の添加物などは一切使われない。厳密に言えばポテトサラダに使ったマヨネーズに入っている化学調味料ぐらいです。
さて、市販のハンバーグ弁当ですが、まずはハンバーグはいったい何から作られているか?原料となる肉は、鶏と豚に牛脂肪を加えた物。牛脂肪は柔らかさと牛肉らしい風味をだすために使う。これに粒状大豆蛋白を加える。これは肉量を増量させるための定番です。カラメル色素でベージュ色に着色される。これに牛乳から抽出された乳蛋白も加える。ビーフエキスを加えてビーフ風味をつける。これがビーフ風味のハンバーグの正体です。
これにかけるデミグラスソースですが、本来は玉ネギを炒めてブラウンソースを作り、トマトや赤ワインで煮込む手間のかかるソースです。工場ではどうやって作っているのか?アミノ酸液は大豆を塩酸で分解して作る調味液です。醤油、ソースの増量や置き換えに使用される。これを粉末化した調味料が蛋白加水分解物です。キサンタンガムは増粘多糖類の一つで柔らかいとろみとツヤをだすために使われる。これがデミグラスソースの実態です。
ナポリタンスパゲティーはどうやって作るか?ケチャップを使うのが当たり前と思うが、実際は使われない。ケチャップを使うよりトマトパウダーと酸味料などの添加物で色と味をつけた方が遙かに安上がりなのです。
次ぎは麺ですが、小麦粉に増粘多糖類を加え、スパゲティーのような硬い食感にする。トマトパウダーは風味を出すため、酸味料と一緒に使いケチャップの代わりとする。クチナシ色素、紅麹色素、紅花色素は天然色素であり、これらの着色料を調整しながら明るいオレンジ色のスパゲティーに着色する。
ポテトサラダのマヨネーズは本物ではなく、添加物で作ったマヨネーズ風ドレッシングです。半固形ドレッシングは「マヨネースもどき」食品です。これには多くの添加物が含まれております。
福神漬けは、とにかく日持ちのするコストの安いものを狙います。中国産の業務用福神漬けならば1Kgで200円程度で仕入れられる。本来福神漬けは7種類の野菜で作るものですが、添加物を使用してない福神漬けは何より色が悪い。ここで登場するのは添加物のサッカリンです。合成甘味料の砂糖の代用品。砂糖の500倍の甘みを持っている。つまり砂糖の500分の1の量で済むから遙かに安上がりです。ソルビン酸はよく知られた合成保存料です。着色料はタール系(石油由来)系の合成着色料を4種類組み合わせて鮮やかな赤色に仕上げる。
キャベツの千切りは時間がたってもシャキシャキして色もきれいです。なぜでしょうか。キャベツは千切りにカットした後、次亜塩素酸ソーダで何度も洗浄・殺菌します。風味はなくなり、ビタミンも壊れてしまうが、黒ずんだりしなびたりするのを防ぐために行われています。だからいつもシャキシャキしているのです。ただしここで使用される次亜塩素酸ソーダは食品に残らないので表示されない。
白ごはんにも、添加物が使われている。コンビニ、スーパーのおにぎり、弁当、寿司販売など、白飯の需要は伸びております。これらは大量生産ですから、コスト、日持ち、原料、外見(ツヤ、白さ)、食感の向上を考えて、複数の添加物が使用されていることが普通です。
しかし、かなりの添加物を使うメーカーもあれば、添加物を使用せず、炊きたての配給にこだわるメーカーもあります。添加物使用の白米。理由は安くて日持ちがするからです。なお、仕入れのご飯には古米が使われることが多いです。古米はパサパサしていて美味しくないので、油や添加物で味やツヤを補う必要があります。「新米シール」の貼られたおにぎりのキャンペーンがありますが、逆に言えば貼られてないのは古米ということです。植物油は添加物ではないですが、ご飯にツヤを与えるために入れる。この油には「乳化剤」が配合され、炊飯油とも呼ばれている。このごはんでお茶漬けをすると、表面にパッと油が浮く。コンビニのおにぎりも同様です。
なお、食品添加物の安全基準はあるが、それぞれ単体の物についての安全基準であり、いくつも使われている、複合された安全基準ではないことを、知っておかれる方が良いと思います。
皆様、このような食材と食品添加物の入ったお弁当を、便利で安いからという理由で食べていることを自覚しながら、自分の身は自分で守ることをよくお考えてください。
-安部司著「食品の裏側」2より引用-

2022年05月03日
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