10、性格と人格について、その違いは?

 最近は、難しい患者さんが増えて、とても我々医師だけでは対応しにくい状況です。たとえばウツ症状で受診した患者さんが、治療し始めるとウツはあくまで表層的な一面の症状に過ぎず、根本的には人格に問題があるというようなケ-スです。さて人格とは何でしょうか?その前に性格と人格の違いは?これは少し難しいのですが、人間の精神機能のうち、知的側面は知能、情意的な側面は性格と呼びます。この性格の基礎にある感情面の先天的な特性(傾向)を気質と呼びます。気質には活動性と気分を含みます。活動性とは活発・精力的・物静か・精神活動のテンポなどを言い、気分とはほがらか・憂うつ・不機嫌などの感情面の特性をいいます。気質が中心となり、これにしつけ・教育・訓練・環境などの後天的影響が加わり、次第に性格-すなわち感情、意志などの特性や行動特性が形成されてゆきます。性格(charactor)は主として個人の意志・意欲的側面を指すと言っても良いと思います。これと似た言葉として人格(personality)があります。人格とは性格に道徳的側面も含めた総合的な人間の特性を指しており、性格より上位の概念として用いられる事が多いのです。特に英語圏では性格とほぼ同義用いられますが、社会生活や対人関係などの面から見た人間の総合特性に重点が置かれていることが特徴です。 以上を簡略にまとめますと、性格とは中心に気質(活動性と気分を含む)があり、その周囲に後天的な教育やしつけ・環境などが加わり形成された意欲面の特性をいうもので、これに道徳的側面を含めて、社会生活や対人関係などの総合的な個人の特性を人格と呼びます。ゆえに、人格の問題という場合には少し難しい問題を含むことをご理解いただけると思います。

2010年08月16日

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