12.患者さんに対する接し方-職場の場合について、

  精神疾患について理解している方は、最近かなり多くなったと思います。
しかし中にはこんな例もあります。
Aさんは医療関連の仕事をしております。かなり厳しい労働条件であり、疲労が重なり次第に気持ちが沈んできて、食欲不振や不眠、全身の倦怠感が強まり、意欲や気力が乏しくなり、時々フッといなくなってしまいたいと思うこともありました。ある日決意して受診されました。話を聞き診断を告げて、病状や治療方法を具体的にご説明いたしました。治療を開始するに当たり、上司に対して病状説明を、Aさんが行ったところ、上司曰く「本当に病気なのか?そんなすぐに診断が付くのか?」「セカンドオピニオンを聞くべきではないのか?」という話をされたそうです。もちろん上司は医療関係者です。本人は驚いてしまい、セカンドオピニオンを拒否して、このまま治療を受けることを話したそうです。
そこで、セカンドオピニオンを受けるのは構わない旨伝えて、診断・治療の根拠と概略について上司宛に手紙を書いて渡しましたところ、病気であるがひどい状態には見えないといって、逆に労働内容が厳しい仕事を勧められたとのこと、これには困りまして、仕方なく診断書を書いて本格的な療養に入りました。しかし、こんなケ-スは希であり、現状では少なくとも医師の診断がついた時には、一般企業ではきちんと対応をするところが多いと思います。この例でお判りのように、患者さんの周囲の方は、1.病気であることに気づかない、2.病気であるがどの程度なのか、どのように対応すべきかを知らない、3.当面の仕事の忙しさに押され、反治療的な判断をしがちである、4.病気と認めない、など幾つかの特徴的な傾向があるように思えます。この例のように、専門外の医療関係者の中には、時々、正しい知識を持っていそうで持っていないことがあって、このような対応の誤りを起こすこともあると思います。

2010年08月29日

RSS FEED RSS FEED  記事一覧 記事一覧  TOPPAGE コラムの最初のページへ  TOP ページの先頭へ