208.ファクトフルネスについて、
まず、今、あなたの持っている基本的な知識について、以下13のクイズに挑戦してみよう。
1)現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するか?
A:20%、B:40%、C:60%
2)世界で最も多くの人が住んでいるのは次のうちどこか?
A:低所得国、B:中所得国、C:高所得国
3)世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったか?
A:約2倍になった、B:余り変わってない、C:半分になった
4)世界の平均寿命は現在およそ何歳か?
A:50歳、B:60歳、C:70歳
5)15歳未満の子どもは現在世界に約20億人いる。国連の予測によれば、2100年には子どもの数は約何人になるか?
A:約40億人、B:30億人、C:20億人
6)国連の予測では、2100年は今より人口が40億人増えるとされている。人口が増えるもっと も大きな理由は以下のうちどれか?
A:子ども(15歳未満)が増えるから、B:大人(15歳~74歳)が増えるから、C:後期高齢者(75歳以上)が増えるから
7)自然災害で亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したか?
A:2倍以上になった、B:余り変わっていない、C:半分以下になった
8)現在世界には約70億人の人がいる。世界の人口分布を正しく表しているのは、どれか?
A:中国、インドを含むアジア40億+ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカそれぞれ10億
B:中国、インドを含むアジア30億+ヨーロッパ10億、アフリカ20億、南北アメリカ10億
C:中国、インドを含むアジア30億+ヨーロッパ10億、アフリカ10億、南北アメリカ20億
9)世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子どもはどのくらいいるか?
A:20%、B:50%、C:80%
10)世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けている。同じ年の女性は何年間の学校教育を受けているか?
A:9年、B:6年、C:3年
11)1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されている。この3つの動物のうち、当時よりも絶滅に瀕している動物は幾つあるか?
A:2つ、B:1つ、C:ゼロ
12)少しでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるか?
A:20%、B:50%、C:80%
13)グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているか?
A:暖かくなる、B:変わらない、C:寒くなる
正解は、この文章の一番最後に記しておく。
結果はどうだったか?沢山間違えた?ほとんど適当に選んでしまった?でも、心配は要らない。その理由を説明する。
実はこのクイズは多くの人が間違える。どれほど高学歴で国際問題に興味のある優秀な人でも間違えている。
この数十年、何千もの人々に世界の事実について数百以上の質問をしてきた。貧富、人口、出生、死亡、教育、ジェンダー、暴力、保健、エネルギー、環境など。
どれも世界を取り巻く状況の変化にまつわる質問である。それなのに、まともに正解できる人はほとんどいない。
例えば3問目、これは極度の貧困についての質問である。世界の貧困層の割合はここ20年で、半減した。素晴らしいことであるが、これほど初歩的な世界の事実でさえ、広くは知られていない。全体の正解率は平均して7%、正しく答えられたのは、10人に1人もいなかった。正解率が高かった国は、1,スウェーデン&ノルウエー:25%、3.フィンランド:17%、4.日本:10%、5.イギリス&カナダ:9%、7.オーストラリア:6%、である。(スウェーデンが1番になったのは、私がスウェーデンのメディアによく出演しており、世界の貧困率の低下を訴え続けたからかもしれない)アメリカはどうだろう。民主党の支持者と共和党の支持者は、互いに相手のことをバカ呼ばわりしている。だが、そもそも自分達は世界についてどれほど知っているのか?と胸に手を当てて考えてみれば、両者とも少しは謙虚になれるはずだ。というのもアメリカの正答率は、8位、たった5%であった。つまり、95%の人は、極度の貧困層の割合は20年間そのままか、あるいは倍増したと考えている。実際はその正反対で、半減していたのに・・である。支持政党が異なっていても、正解率は変わらなかった。
一方、地球温暖化についての質問13は、86%の人が正解した。クイズを実施した先進国全てにおいて、気候専門家の予測が知れ渡っている。たった数十年のうちに、研究室から世間へと科学の発見が広まったということである。意識向上キャンペーンとしては大成功と言って良い。
時を重ねるごとに少しずつ、世界はよくなっている。何もかもが毎年改善するわけでは無いし、課題は山積している。しかし、人類が大いなる進歩を遂げたのは間違いない。これが「事実に基づく世界の見方」である。
このクイズは2017年に世界14ヶ国12000名に行ったオンライン調査で、温暖化の質問を除いて、平均正解率は12問中2問。全問正解者はおらず、スウェーデンの参加者1名のみ11問正解、全問不正解は15%もいた。高学歴や国際問題に興味のある人々に限っても、大多数が間違っていた。
このクイズでネガティブで極端な答えを選ぶ人が多いのは、「ドラマチックすぎる世界の見方」が原因である。世界のことについて考えたり、推測したり、学んだりする時は、誰でも無意識に「自分の世界の見方」を反映させてしまう。だから、世界の見方が間違っていたら、正しい推測ができない。だが、「ドラマチックすぎる世界の見方」をしてしまうのは、知識のアップデートを怠っているからでは無い。最新の情報にアクセスできる人たちも、同じ罠にはまってしまう。また、悪徳メディア、プロパガンダ、フェイクニュース、低質な情報のせいでもない。
その原因は、脳の機能にある。
-ハンス・ロスリング著「FACT FULNESS」より、抜粋引用-
正解は以下である。
1:C, 2:B, 3:C、 4:C, 5:C, 6:B, 7:C、8:A、9:C, 10:A、11:C, 12:C, 13:A
2026年05月01日

