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2014-12-02

71.マインドフルネス認知療法のテーマについて

1.ネガティブな思考パターンの確立と増強を防ぐ最適な方法の探索
 うつが再発しないように、ネガティブな思考パターンを強めないようにする方法を探る。ネガティブな心理状態をすっかり取り除くのではなく、定着しないようにするのが目的である。
2.何が思考習慣を駆り立てるのか
 ネガティブな思考は、繰り返し体験された自動的な認知パターン(反芻的であることが多い)から起こる。それらは、うつや問題のある状況を避けようとすることがきっかけとなる。たとえば、次のような認知のモードにとどまることで、これらは習慣化する。
1)自動操縦状態、2)ネガティブな気分を嫌って、ポジティブな気分になろうとする、3)現在の状態と理想的な状態を常に見比べる、4)「言葉」だけで問題を解決しようとする
3.中心となるスキルは何か
 中心となるスキルは、このようなパターンからいかに離れるか、離れ続けているかということである。基本は、マインドフルになり受け流すことである。受け流すとは、何かを得ようとしたり、何かを嫌ったりすることからの自由になることといえる。このプログラムの目的は自由であり、幸福やリラクゼーションなどではない。もちろんそれらが結果として得られる分にはかまわない。
4.体験的な学習
 スキル・知識体験をすることでのみ身につけられる。頭の知識は役立つであろうが、それのみでは全く不十分である。スキルの習得には、体験を幾度となく繰り返すことが必要である。十分に体験するには、次の2点が必須条件となる。
 1)セッション外でもしっかり練習をする2)スキルを身につけるためには、うつに関係しそうもない思考、感情、身体感覚にも気づき、うけながすこと。
5.力づけ
 参加者を力づけることは必要不可欠である。その際身につけたスキルは、インストラクターからの教えではなく、参加者自身の体験によるものであるということや、参加者は自分自身についての「エキスパート」であるということを含んだ力付けを行う必要がある。 
6.何が学ばれるのか?
集中:特定の対象へ注意し続ける能力は、MBCT(認知行動療法)のすべての側面 にとって中心となる
 思考・感情・情動感覚へ気づき/マインドフルネス:これは、役に立たないパター ンに気づくこと無しには、それらを意図的に流すことができないために重要である。それ以外にも、その瞬間にあること、脱中心化、受容・非嫌悪・非執着、受け流し、到達目標を持たないことなど、いくつかの要素がある。

Zindel V.Segal,J.Mark G.Williums,John Teasdale,:Mindfulness-based cognitive therapy for depression.
堀川房子訳「マインドフルネス-認知療法」北大路書房より抜粋引用

2014年12月02日
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